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宮尾登美子「錦」を読みました。帯の龍村(初代 龍村平蔵さんのお話し) [読書]

豪華な帯で有名な「龍村」さん初代のお話しでした。
帯といえば、川島織物も有名で、同じように数百年も続いている老舗かと思いきや、
このお話しによると、龍村平蔵さんは、大阪・南船場にある大店のお家に明治9年(1876年)に生まれた後、家業はなくなり、16歳で一人でほぼゼロから商売を始めたということに驚きました。
波乱万丈な人生のなか、熱心・行動力・審美眼で織物芸術の重要な部分を担った方なのですね。
思いつめたら一心不乱、というのは才能でしょうか。
正倉院宝物裂、法隆寺裂など、名物裂の復元・研究も何年もかけてされそうです。
私が学んだことをざっとまとめると(本当にざっとで、しかも偏っているのですが。)
・幼い頃によい物を見ておくのは財産になる
・「船越間道」(裂地の名前です)も平蔵さんが復元した?!→要確認です。
・着物の帯や、茶入れのお仕覆の裂地は、絹でできているというだけではなく、(絹糸をつくるところだけでも大変ですが)大変な労力と意匠・技術によって作られているのだ!ということ。
・千数百年前の中国で蚕が食べていた桑の葉が固かったので、その蚕から作った絹糸も固く、当時の絹織物をそのまま復元することは難しい・・・など

龍村さんと川島さんのホームページによると、龍村は創業120年、川島織物は170年(江戸時代末の創業)だそうなので、川島織物のほうが50年長いのですね。

先人の努力の賜物をありがたく、大切に使ったり拝見したりさせていただこうと思います。

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